高齢ドライバーの救世主!?高齢者こそマニュアル車を運転すべき理由

近年、高齢ドライバーによる交通事故が多発しており、高齢者の「免許自主返納」を求める機運が高まっていますよね。一方で高齢者にとっては、買い物や通院・通院などで車が使えなくなると生活に大きな負担がかかります。

この記事では、高齢者による交通死亡事故を防ぐために「高齢者こそマニュアル車を運転すべき」という意見に着目しました。一見突飛な解決策かもしれませんが一考の余地はあると思います。
ぜひご一読ください。

高齢ドライバーによる死亡事故は年間400件以上

2019年4月に東京・池袋で起きた高齢者による暴走事故は記憶に新しく、31歳の女性(当時)と3歳(当時)の女の子がはねられて死亡し、ほか9人が負傷しました。警察庁のまとめによると、令和元年の75歳以上の高齢運転者による死亡事故件数は401件にも及びます。

交通事故により尊い命が失われるというのは、絶対に防がなければならないことです。

高齢ドライバーが事故を起こしやすい原因

高齢ドライバーが事故を起こしたケースの多くは、アクセルとブレーキの踏み間違いが原因となっています。警察庁のまとめによると、令和元年に75歳以上の高齢ドライバーが起こした死亡事故原因として最も多いのが「操作不適」(28%)です。
そのうち13.7%が「ハンドル操作不適」、7%が「アクセルとブレーキの踏み間違い」となっています。

75歳未満のドライバーのブレーキ踏み間違い事故が死亡事故全体の0.5%にすぎないのに対し、75歳以上のブレーキ踏み間違い事故の確率は14倍にもなります。

高齢ドライバーが免許を返納しない理由

死亡事故を起こすリスクが高いにもかかわらず、高齢者が運転をやめない理由は何なのでしょうか。

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この記事のように高齢ドライバーが運転を続ける理由としては、

  • 自分の運転技術に自信を持っているから
  • 生活が不便になるから

と、大きく分けて2つの理由があります。
警察庁のまとめによると高齢者の運転目的としては、観光や娯楽などの目的が多い一方で買い物や通院・通勤や業務目的など生活を送る上で必須の目的が一定の割合を占めています。
公共交通網が発達していない都市部では、電車やバスが1時間に数本しかないというところもあり生活が非常に不便になります。移動の自由が制限されるというのは、若年者が想像する以上に大変なものです。

高齢ドライバーこそ「マニュアル車」を運転した方がいい理由

マニュアル車は踏み間違い事故の恐れが少ない

高齢ドライバーが事故を起こす原因として「アクセルとブレーキの踏み間違い」を挙げました。
これはもちろんAT(オートマチック)車が圧倒的に多いです。

マニュアル車にはアクセル、ブレーキ以外にクラッチがあります。クラッチとアクセルのタイミングを合わせながら前進していくため、止まった状態からアクセルとブレーキを間違えて踏み込んだだけでは車は発進しないのです。
オートマ車とマニュアル車の車発進時の工程も大きく異なります。

<オートマ車>
シフトレバーを「D」に入れる→発進

<マニュアル車>
ローギアに入れる→クラッチを少しずつ上げる→アクセルをゆっくり踏み込む→発進

コンビニや飲食店に「アクセルとブレーキを踏み間違えた」との理由で車が建物に突っ込んでいるニュースが頻繁に流れますが、マニュアル車であればこのような事故は起こりにくいと言えます。

マニュアル車は身体能力の低下を実感しやすい

マニュアル車はAT車に比べて運転操作が複雑で神経を使い、多くの動作・高い認識力・判断力が求められます。
そのためマニュアル車での運転は、自分の身体能力・認知能力の低下を実感するきっかけになるかもしれません。

その結果マニュアル車の運転は、自分の運転能力を過信した高齢ドライバーによる交通事故を防げる可能性があります。

高齢者が快適に暮らせる社会づくりも必要

交通死亡事故は絶対に避けなければならない最悪の事態ですが、一方で高齢者だけに我慢を強いるのはフェアではありません。高齢者が安全に運転できる制度作りや高齢者が自ら運転しなくて済むインフラ整備も必要といえます。

2022年5月に政府は「サポカー限定免許制度」を施行しました。これにより高齢者は自家用車を運転しながら、交通死亡事故を回避できることが期待できます。
その一方で「サポカーに頼らなければならないのなら車に乗るな」という意見があることも事実です。

また、高齢者が自ら車を運転しなくても快適に暮らせる社会づくりも必要です。
政府は令和2年版高齢社会白書で、公共交通機関のバリアフリー化や高齢者が安心して通行できる道路の確保などを課題として挙げています。

高齢ドライバーがマニュアル車を運転することに対して賛否両論があることは理解しています。
ただ、自分の家族・親戚・友人が加害者にならないよう早い段階でできる限りの対処をすることをおすすめします。



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